洗顔で汚れが落ち毛穴のざらつきがすっきりしそう。そう思って調べたら、やめたほうがいいという言葉が並んでいた。そこで手が止まっている方は多いと思います。
やめる必要はありません。酵素洗顔が裏目に出るのは、洗浄力が強すぎるからというより、使う回数と、使った日の肌の状態がかみ合っていないときです。
週に何回までにするか、どんな日は休むか。この2つを決めてしまえば、あとは普段の洗顔と同じように扱えます。
やめたほうがいいと言われる理由

酵素洗顔に入っている酵素は、洗浄成分の一種です。実際、製品の全成分表示を見るとプロテアーゼやリパーゼが並んでいて、メーカー側も洗浄成分として案内しています。汚れを落とすための成分であって、お肌のキメを整えるためのお手入れの一環です。
問題は、この洗浄成分が相手を選ばないところにあります。
酵素洗顔で落とせる汚れ
洗顔料に使われる酵素は、働く相手で2つに分かれます。タンパク質の汚れに働くものと、皮脂汚れに働くものです。
| 分類 | 成分表示名 | 主な由来 | 配合目的 |
|---|---|---|---|
| タンパク質に働きかける洗浄成分 | プロテアーゼ | 微生物、植物 | タンパク質の汚れ(古い角質など)を洗い流す洗浄成分 |
| タンパク質に働きかける洗浄成分 | パパイン | 青いパパイヤ | タンパク質の汚れ(古い角質など)を洗い流す洗浄成分 |
| タンパク質に働きかける洗浄成分 | ブロメライン | パイナップル | タンパク質の汚れ(古い角質など)を洗い流す洗浄成分 |
| 皮脂汚れにアプローチする洗浄成分 | リパーゼ | 微生物など | 頑固な皮脂汚れをすっきり落とす洗浄成分 |
| 皮脂汚れにアプローチする洗浄成分 | パンクレアチン | 動物由来 | 頑固な皮脂汚れをすっきり落とす洗浄成分 |
※古い角質や皮脂などの汚れを指します。
パパインとブロメラインは、プロテアーゼの仲間です。同じ働きをするものが、由来ごとに別の名前で書かれていると思ってください。
製品によっては、パパインのうしろに記号が付いた表記になっていることもあります。中身が違うわけではないので、成分表を見るときは名前のほうを探してください。
両方の酵素が入っている製品もあれば、片方だけのものもあります。皮脂が少なくて乾燥しやすい方なら、リパーゼの入っていないものを選ぶ、といった見方もできます。
必要な角質まで落ちてしまう日
酵素は、落ちてよい古い角質と、いま肌の表面で働いている角質を見分けません。ここが酵素洗顔のいちばん誤解されているところだと思います。
回数が増えるほど、必要以上の古い角質や汚れまで洗い流してしまいます。お肌のうるおい環境(角質層の水分・油分)が乱れると、うるおいは逃げやすくなり、いつもの化粧水がしみる、洗ったあとにつっぱる、といった変化が出てきます。
つまり、やめたほうがいいと言われる理由は、酵素洗顔が悪いからではありません。落とす力があるものを、毎日の洗顔と同じ感覚で使ってしまうからです。
毎日使うと肌に起きること
肌の変化は、だいたい次の順番で出てきます。
| 段階 | サイン |
|---|---|
| 使った直後 | 洗ったあとにつっぱり感やゴワつきやカサつきがある |
| 続けて数日 | 洗い上がりに乾く |
| さらに続けたとき | ざらつきが前より気になる |
やっかいなのは、3段階目です。古い角質を洗い流すケアをしたのに肌がざらつくと、落としきれていないと感じて回数を増やしたくなります。そこで増やすと、乾燥が進んでさらにゴワつく。この往復に入り込んでいる方が、実際とても多いところです。
自分の肌で見る指標を持ってください。洗ったあとにつっぱるかどうか、化粧水がしみないかどうか。このどちらかが出たら、回数が多すぎるサインです。
やらない方がいい人と肌の状態
その日の肌の状態で判断するほうが確実です。
| 状態・体質 | 判断 |
|---|---|
| 赤み、ヒリつき、皮むけがある | 休む |
| 日焼けした直後 | 休む |
| お肌に痛みや腫れや目立つ肌荒れがあるとき | 休む |
| ピーリングやレチノールを使った日 | 休む |
| 敏感肌、乾燥が続いている | 2週間に1回程度から様子を見る |
| パパイヤやパイナップルでアレルギーがある | 使わない |
最後の行は見落とされがちです。パパインはパパイヤ由来、ブロメラインはパイナップル由来の成分なので、フルーツのアレルギーがある方は成分表示を確認してから選んでください。
肌の調子が悪い日ほど、リセットしたくて角質ケアに手が伸びます。逆です。角質ケアは、調子がいい日にやるお手入れだと考えてください。
頻度の目安

週1回、夜の洗顔から始めます。それで刺激を感じず、ざらつきも気にならないなら、その回数で続けて問題ありません。
物足りなければ週2回。上限は週3回です。それ以上に増やしても、落ちにくい角栓が落ちるようにはならず、乾燥だけが積み上がっていきます。
肌質別の目安
| 肌質 | 目安 |
|---|---|
| 普通肌 | 週1〜2回 |
| 脂性肌、テカリやすい方 | 週2〜3回まで |
| 混合肌 | 週1〜2回。額と鼻だけにのせて、頬は避ける |
| 乾燥肌、インナードライ | 週1回まで |
| 敏感肌 | 週1回、または2週間に1回から様子を見る |
混合肌の方は、顔全体に同じ回数を当てはめないほうがうまくいきます。皮脂の多い額と鼻に泡をのせて、乾きやすい頬は普段の洗顔料ですませる。部位で分けるほうが、回数を減らすより現実的です。
なお、頻度の目安は情報源によって幅があります。週1〜2回とするものが多い一方、肌が丈夫なら週3回までとするものもありました。数字が割れているのは、肌質と製品の処方で条件が変わるからです。当サイトでは、上限を週3回として案内しています。
季節別の目安
| 季節 | 肌の傾向 | 調整 |
|---|---|---|
| 春・夏 | 皮脂が増え、ざらつきやすい | 刺激がなければ回数を1回増やしてもよい |
| 秋・冬 | 乾燥しやすく、ゴワつきを感じやすい | ゴワつく日だけ。つっぱるなら減らす |
冬のゴワつきは、角質がたまっているとは限りません。乾燥でそう感じているだけのことも多く、そこで酵素洗顔を足すと悪化します。保湿を厚くして数日待ってから判断してください。
毎日使えるタイプと週1〜2回タイプの違い
同じ酵素洗顔でも、毎日使えると書かれた製品があります。処方が違うからです。
| 毎日使えるタイプ | 週1〜2回タイプ | |
|---|---|---|
| 酵素の配合量 | 控えめ | 多め |
| 組み合わせ | 保湿成分をあわせた設計が多い | すっきりとした洗い上がりを重視した設計が多い |
| 形状 | チューブ、ペースト、個包装パウダー | パウダー、ボトル |
| 位置づけ | 毎日の洗顔料 | スペシャルケア |
見分け方は1つだけです。パッケージの使用方法欄を読んでください。毎日と書いてあればそれがその製品の答えで、週2回程度と書いてあればそれが答えです。ネットの一般論より、手元の製品の表示が優先します。
判断に迷ったときは、使用方法欄と全成分表示の2つを見れば、たいてい決まります。
使う順番とタイミング

順番はこうです。
- クレンジングでメイクを落とす
- 酵素洗顔で洗う
- 化粧水まで止まらずに進む
メイクをした日は、先にクレンジングです。酵素洗顔はあくまで洗顔料なので、メイクの油分が残ったままだと汚れに届きません。W洗顔不要のクレンジングを使った日は、そのあとの洗顔を酵素洗顔に置き換える形でかまいません。
朝と夜のどちらでもかまいませんが、1日1回までにしてください。朝に使うことで古い角質や余分な皮脂が洗い流され、メイクのノリが良く感じられるという声もありますし、夜に使えばその日の皮脂を残さず流せます。使う日を決めやすいほうを選べば十分です。
洗顔そのものの温度や泡の作り方は、こちらにまとめてあります。

パウダータイプの使い方
粉のまま顔にのせないことだけ、先に押さえてください。酵素は水に触れてから洗浄力を発揮するので、溶かさずに使うと粒が肌に当たるだけになります。
- 手を洗ってから顔に触れる
- 32〜34℃のぬるま湯で顔全体を濡らす
- 濡れた手のひらに、製品表示どおりの量のパウダーを出す
- 水を数滴ずつ足しながら、指先で溶かしてなじませる
- 泡立てネットで泡を作る
- 額と鼻から泡をのせ、頬、あごへ。目元と口元は避ける
- 30秒から1分でぬるま湯にうつり、20回すすぐ
- タオルを押し当てて水分を吸わせる
量は製品ごとに違います。個包装のものは1回1包で使い切り。ボトルタイプは付属のスプーンや表示に従ってください。少なすぎると泡が持たず、手のひらが直接肌に当たります。
置き時間を延ばすほど落ちる、ということはありません。長くのせるほど、必要な角質まで巻き込む時間が増えるだけです。1分を超えたら流してください。
同じ日に重ねないもの

| 組み合わせ | 判断 |
|---|---|
| 酵素洗顔+スクラブ | 同じ日は避ける |
| 酵素洗顔+ピーリング | 同じ日は避ける |
| 酵素洗顔+AHA・BHA(すべて角質柔軟成分)配合のアイテム | 同じ日は避ける |
| 酵素洗顔+レチノール | 同じ日は避ける |
| 酵素洗顔+高濃度のビタミンC | ヒリつくなら日をずらす |
| 酵素洗顔+セラミド、ヒアルロン酸の保湿 | 重ねてよい |
どれも角質ケアを目的とするものどうしなので、重ねると単純に負担が倍になります。カレンダーで曜日を分けてしまうのがいちばん楽です。酵素洗顔は日曜の夜、レチノールは火曜と金曜、というふうに。
使ったあとの保湿
酵素洗顔をした日の肌は、普段の洗顔よりも水分が逃げやすい状態です。ここで保湿を普段どおりにすると、翌朝つっぱります。
- タオルで水分を押さえたら、着替えを挟まずに化粧水へ進む
- 化粧水はいつもより多め。手でしばらく押さえる
- 乳液かクリームでふたをする。ここを省かない
シートマスクを使う日にするのも合っています。ただし刺激を感じた日は、余計なものを足さず、いつもの化粧水と乳液だけにしてください。
順番と量の基本は、こちらの記事にまとめてあります。

他の角質ケアとの違い
売り場に並んでいるものは似て見えますが、肌への当たり方が違います。
| 落とし方 | 肌への当たり方 | 向いている日 | |
|---|---|---|---|
| 酵素洗顔 | 洗浄成分が汚れを洗い流す | 泡で流す | 顔全体がざらつく日 |
| ピーリング | 酸などの成分が、不要な角質を洗い流しやすい状態に整える | マイルドにお肌をやわらかくする | 角質が硬く感じる日 |
| スクラブ | 粒で表面を動かす | 物理的にこする | 部分的なざらつき |
| クレイ洗顔 | 泥が汚れを吸着する | 泡またはパックで流す | 皮脂が重い日 |
いちばん違いが出るのはスクラブです。直後のつるつる感は分かりやすいのですが、手に力が入りやすく、赤みも出やすい。酵素洗顔はこすらずに置いておけるぶん、摩擦の面では扱いやすい選択になります。
迷ったら、ざらつきが顔全体なら酵素洗顔、小鼻の一部だけならクレイ。この分け方で足ります。
角栓はどこまで落ちるか
期待と現実がいちばんずれるところなので、はっきり書きます。
| 落ちるもの | 落ちないもの |
|---|---|
| 毛穴のまわりの皮脂汚れ | 毛穴の奥で固まった角栓 |
| 表面の古い角質※ | 毛穴の大きさそのもの |
| 角栓の表面のタンパク質汚れ | 白くつまった角栓の全部 |
※古い角質や皮脂などの汚れを指します。
角栓は、はがれ落ちなかった角質と皮脂がからみ合ってできています。酵素がアプローチできるのはその表面までで、毛穴の中で固まったものが丸ごと抜けることはありません。数回使って角栓が消えないのは、使い方が下手だからではないということです。
ここを分かって使えば、酵素洗顔は落ち着いて続けられます。取れないものを取ろうとして回数を増やすと、赤みだけが残ります。
保管と使い切る目安
酵素は湿気に弱い成分です。洗面所の棚に置きっぱなしにするより、湿気のこもらない場所へ移してください。浴室に置くのは避けます。
- 直射日光と高温多湿を避け、ふたをしっかり閉めて保管する
- 個包装タイプは、開けたその日に使い切る
- 未開封の化粧品は、適切に保管して製造から3年ほどが目安
- 開封後はできるだけ早く。数か月から1年を目安に使い切る
においや色が変わっていたり、粉が固まっていたりしたら、期限内でも使わないでください。
酵素洗顔についてよくある質問

酵素洗顔は毎日使ってもいいですか?
朝と夜、どちらに使うのがいいですか?
ニキビがあるときは使えますか?
酵素洗顔だけで角栓はなくなりますか?
使ったあとにヒリヒリしました。続けてもいいですか?
酵素洗顔とピーリング、どちらを選べばいいですか?
乾燥肌でも使えますか?
まとめ|酵素洗顔で決めておく3つ

- 週1回、夜の洗顔から始める。上限は週3回
- 赤み、ヒリつき、日焼け直後の日は休む
- 使った日は、化粧水と乳液をいつもより厚めに
酵素洗顔をやめたほうがいいと言われるのは、力が足りないからではなく、落とす力があるからです。裏を返せば、回数さえ間違えなければ扱いにくいものではありません。
まずは今週、夜に1回だけ。そのあと2日、肌のつっぱり方を見てから次の回数を決めてください。

